早朝から降っていたどしゃ降りの雨も上がり、
午後には少し陽がさしてきたのを見て、思わずガッツポーズ。
大宮八幡宮の薪能は、雨天だと会場が高千穂大学の体育館なのです。
さすが、神様もちゃーんと考えているみたい。
開演20分前に到着した会場は、なかなかの人出。
やはり年配の方たちが多いですが、家族連れや若い女性もちらほら。
今回痛感したのは、5月の夜はかなり寒いこと!あたたかくして出かけましょう。
あと、休憩中のトイレは大混雑。できるだけ直前にすませておくことをオススメします。
夕闇せまる空と豊かな緑をバックにした特設能舞台で、まず行われるのは「火入れ式」。
「ろくろひきり」という古代の火おこしの道具で神官が火をおこし、薪に火を入れる儀式です。
舞台の縁に並べられた竹燈にも火が灯されると、いよいよ舞台が始まります。
大宮八幡宮の薪能は神様への奉納行事のひとつですが、
地域の人に気軽に能を楽しんでもらうことも目的のひとつ。
初心者でも楽しめるよう、演目にも工夫されているようです。
小鼓、大鼓、笛、地謡(じうたい)の演奏にのせて
演目のクライマックス部分のみを演じる「舞囃子(まいばやし)」に続き、
台詞もわかりやすい「狂言」は、親しみやすいキャラクターが笑いを誘います。
お囃子が入ったり、舞台での動きも多いので、初めてでも面白いですよ。
ここで休憩をはさみ、辺りもすっかり暗くなった頃に真打ち登場です。
ざわざわと風に揺れる木々、
パチッ、パチッという薪の爆ぜる音、
暗闇に時折舞いあがる赤い火の粉、
鼓や笛の澄んだ響きの中、面をつけて舞う姿は人間ではないようにも見えます。
敢えて予備知識を何も入れずに見たのですが、
その幽玄さや美しさは十分に感じることができました。
会場で配られるパンフレットには演目の解説がのっていますので
最初にストーリーを頭に入れて楽しむのもいいと思います。
印象的だったのは、開演前の「それでは、神々といっしょにお楽しみください」というアナウンス。
神様といっしょに楽しむ夜。
薪能の魅力は、こんなところにもあるのかもしれませんね。
掲載日付:2007/05/23